「あーあ、鳴っちゃった」
「……せ、先輩っ……!早く戻ら、ないと……5時間目始まっちゃいますよ……?」
ね?だから、教室に戻りましょうっ……!
先輩から逃げたい一心で、じっと見つめた。
「……離れたくない……」
「……え?」
な、なに……?
どうして、そんな……
寂しそうな顔、するんですか……?
いじわるな言葉を並べて私を惑わせると思えば、急にそんな塩らしい顔……ほ、ほんとにズルい……。
そんな顔されると、どうしていいか、わからなくなる……っ。
先輩は、本当に私のこと……
……いやいや、それはないよ!!
絶対、断じてない!!
だって今日会ったばかりだし、先輩自分勝手だし、酷い事ばっかり言うし……

