【完】愛は溺死レベル



いた……!


先輩の後ろ姿が見えて、名前を呼んだ。

先輩は全く振り返ろうとせず、生徒会室に入ろうとしているのか、ドアノブに手をかざしている。


わたしも後を追いかけようと、全力で走っていた時、突然腕を掴まれた。



「なぁ見ろよ、めっちゃ可愛いメイドさんいるんだけど」



な、なにっ……!

わたしの手を掴んだのは、他校の制服を着た男の人。



「やっ、離してっ……」



振り払おうともがくも、力の差が歴然で、相手はビクともしない。

もう、やだ……っ。