【完】愛は溺死レベル



突き放すような、先輩の言葉。

驚いて先輩の顔を見上げると、その顔は無表情で、冷めた目つきをしていた。



「……バイバイ」



え……せん、ぱい?



「ま、待って先輩っ……!」



足早に教室を去っていく先輩の後ろ姿にそう叫んでも、先輩が足を止めることはなかった。


ど、どうしよう……先輩、凄く、怒ってるっ……。



「杏、今のバ会長?」



一部始終を見ていたのか、タズちゃんが青い顔をしてわたしのところへ来た。