【完】愛は溺死レベル




「メイド服着たいなら、俺の前だけにして」



繋いだ手に、ぎゅっと力を込めた先輩。



「き、着たいなんて思ってません……!」

「うん、俺が着てもらいたいだけ」



……もしかして……



「……そういうの、好きなんですか……?」



先輩、メイドとか、す、好きなのかな……?

恐る恐る尋ねたわたしに、先輩はすぐに否定した。



「勘違いしないでよ。杏限定だから」



わたし、限定……?