【完】愛は溺死レベル




ようやくキスをやめた先輩は、優しくわたしの頰に触れながら、にこりと微笑んだ。



「杏に拒否権なんてないの。嫌がってる顔も可愛い。ほんと、俺を煽るのが上手だよね」



煽るって……そんなの、させてないっ……。

先輩は、やっぱり変態だっ……。



「杏が見たいって言ってた映画全部用意するし、菓子も紅茶も全部取り寄せとくから、家でデートしよ、ね?買い出しも俺が全部付き合ってあげるから」



強請るような言い方に、うっ……と言葉を飲み込んだ。


そんなふうにお願いされたら、もう拒否できないよ……。