どの子だっけ……?と教室を見渡すと、2つ前の席の男の子がわたしを見てにっこりと微笑んだ。


あ……知ってる、名前棗くんっていうんだ……確か苗字は、神崎(かんざき)くん。

クラスの人気者で、男の子からも女の子からも慕われている人。


話したことはないけれど、彼はいつも人の中心にいた。







「よろしくね、鈴森さん」



LHRが終わって、わたしの元へ歩み寄ってきてくれた神崎くん。


さっそく今週の土日、二人で買い出しに行かなきゃいけないことが決まったんだ。