【完】愛は溺死レベル



び、びっくりしたっ……。

さっきの顔、なんだったの……?



「どう、して…私なんかを好き、なんですか?」



どうしても理由がわからなくて、自意識過剰かなと思いながらも、聞いてみた。



「杏が俺を好きって言えば、教えてあげる」



……なっ、なにそれ……!



「い、言えませんそんなこと……」



第一、私は会長さんのこと、好きじゃありせんからっ……!

心の中でそう叫んで、下唇をぎゅっと嚙みしめる。


会長さんは、少しつまらなさそうな表情をして、口を開いた。



「あっそ。今はいいよそれでも。いつか絶対に言わせてやるから」



一体、その自信がどこからくるものなのか……この人、話が通じないよぉ……。


どうしようかと頭を抱える私の心情なんて知る由もないのだろう会長さんは、頭にぽんっと手を乗せてくる。