当たり前のように、わたしの情報を話す先輩。 もう、なんで知ってるかは怖いから聞かないけど……知ってるなら、どうして苦手科目聞いたんですか……? 「んー、じゃあ、授業ノート貸して」 溜息が出そうなのをぐっと堪え、わたしは英語のノートを先輩に渡した。 わたしのノートを見ながら、なにやらくすっと笑った先輩。 「字、可愛い」 「……字に可愛いとかって、ありますか?」 「うん。杏は全部可愛い。あとでこのノートコピーさせて」 こ、コピーって……