み、みんな、ポカンとしてるよっ……! それなのに先輩は、平然とした態度で、わたしの髪を弄り始める始末。 「だって、杏可愛いから心配なの、俺」 か、可愛いって……っ。 「他のやつにとられないように、牽制しとかなきゃ」 そんな心配しなくても、わたしのこと狙うような人なんて…… 「チャイム鳴りましたよ、早く教室では戻った方がいいんじゃないですか?」 いつから後ろにいたのだろうか、翔くんの声に、びくりとあからさまに反応してしまった。 「はーあ、杏と離れたくない……」