【完】愛は溺死レベル




急に、な、なんでっ……


先輩はなぜか、見せびらかすようにわたしを抱きしめ、近づいてきた女の子たちの方を向く。



「俺、可愛い彼女がいるから、他の女の子とは話したくないの」



……っ。


シーン、と、静まり返る教室。



「ちなみに、俺の彼女に手ぇ出そうとしたやつは、それ相応の処分が下ると思っててね」



今度は誰に言ったのだろうか。わからないけれど、みんなの前で恥ずかしげもなくそういった先輩。


わたしはもう、見なくてもわかるほど、顔が真っ赤だ。



「せ、先輩っ、なに言って……!」