【完】愛は溺死レベル




先輩の姿に、女の子たちは目をハートにしてこちらを見ていて、少しだけモヤッとした。

先輩かっこいいから、仕方ない、けど……やっぱりモテモテなのは、心配になるなぁ……。



「きゃーっ、会長だよ……!」

「ね、声かけてみようよっ!」



クラスでも可愛いと言われている女の子二人が、こちらに近づいてくる。


凄く不安な気持ちになって、瞳をぎゅっとつむった。



「ごめんね」



……え?

先輩の声が、教室に響く。

驚いて顔を上げると、わたしはあっというまに先輩に抱きしめられて、なにが起こっているのかわからなかった。