【完】愛は溺死レベル



「なんで、っと言われても…居る理由がないので…」



さ、察してください……。



「杏は俺の彼女なんだから、理由なんて要らないでしょ?」

「か、彼女……!」



まだそんなことを言っているのかと、思わず大きな声がでた。

それに対しても、会長さんは相変わらず不思議そうな表情。



「さっき言ったじゃん。杏はおバカさんなの…?」



クスッと笑われて、なんだか恥ずかしくなった。

だ、だって、彼女なんて……



「ほ、本気で言ってるんですか…!?」

「あったりまえ」

「そ、そんなのダメですよ」

「何がダメなの?」

「わ、私も会長さんも、好き同士じゃないので無理です!」



普通、好きな人同士が付き合うものでしょうっ……?

私、初めてのお付き合いは……大好きな人とって決めてるもん……!