「あれで隠せたつもりだったなんて、三宅も案外天然なんじゃない?」 「あたしが?天然?笑わせないでよ、しばかれたいの?」 悪役もさながらの形相になっているタズちゃん。 「た、タズちゃんっ、顔がっ……!」 せっかくの美人が台無しだよっ……! 何やら不穏な二人の間に、入ろうとした時だった。 「杏」 ……え? 先、輩? 背後から聞こえた、先輩の声。 慌てて振り返ると、そこには笑顔の先輩が立っていた。 「おはよ」 どうして、わたしの教室にっ……?