「まかせて。一年に安堂翔っていうイケメンがいるから、今度セッティングしてやる」
そう言えば、女は嬉しそうに返事をして、電話を切った。
……ほんと、女って顔だけだな。
別にどうでもいいけど……それに、安堂にも早く別の女作ってほしいところだし。
杏につきまとうのは、やめてもらわないと。
俺の、可愛い彼女なんだから。
「あー……会いたい」
さっき別れたばかりだというのに、もう禁断症状が出てきて、そんな自分に笑ってしまう。
杏は俺のこと、意地悪とか余裕だとかいうけど、全然違う。
むしろ、振り回されているのは、完全に俺の方なんだ。

