【完】愛は溺死レベル


その姿に、首を傾げる。




「んー……?あー、それはー……」




……?そんなに言いにくい理由があるのかな…?




「そうだな。生徒会長だから生徒の顔と名前は全員覚えてます、とか?」




会長さんから出てきたのは、普通の理由だった。

そんなに言い辛そうにすることかなぁ……?




「……そう、だったんですね……」

「あれ?信じちゃうんだ。素直すぎるでしょ」

「え?」

「なんにもないよ」




納得して謎が解けたにも関わらず、意味深な発言をする会長さん。






な、なんだか変な人……。

とりあえず、教室に戻らせてほしい……。


男の人と二人きり、こんな状況気まずいし、何よりこの人と一緒にいるのは危険な気がするっ……



「あ、あの、帰ってもいいですか?」

「なんで?」



私の言葉に、会長さんは不思議そうに目線を合わせてきた。