【完】愛は溺死レベル



「これからじっくり教えてあげるから、覚悟してね」



ゆっくりと、近づいてくる唇。


わたしは抵抗すること無く、目をつむった。



「嫌だって泣き喚いても逃がしてなんてあげないから」



わたしを縛る言葉とともに降ってきた、甘いキス。

先輩の腕の中で、たまらない幸せを感じた。


大好き……先輩。




「でも、偶然高校が一緒になって、よかったです……先輩とまた出会えて……」


「え?偶然なわけないじゃん」


「……え?……えっ……?」


「ふふっ。俺の愛、なめないでよ」


「……こ、怖いです、先輩……」


「ちなみに、杏のお母さんから毎月杏の写真貰ってたし。引っ越しした後ずっと」


「……や、やっぱり、お付き合いは考え直して……「だーめ、もう離してやんない」




想像以上の溺愛を受けていたことに、わたしは今更気づいたのだった。