「なっ……酷いっ……」 「でも、同じくらい、甘やかせたくもなる」 そう言って、先輩はわたしの髪を撫でた。 その触り方がほんとうに優しくて、愛されているのだと実感させてくれた。 「もう、俺のもんだから。絶対離してやらないから……」 「はい……離さないで、ください……っ」 「……そんなこと言っていいの?」 「え?」 「俺がどれだけ杏のこと好きか、まだ全然わかってないでしょ?」 赤い瞳に見つめられ、目を逸らせない。 吸い込まれちゃいそうになるほど、情熱的だった。