「だ、だって……先輩、すごく成長してたし……」 「そんな言い訳いらない」 怒ったフリだろうけど、わたしの方を向いてくれない先輩。 うっ……困った……。 「ご、ごめんなさい先輩……」 「……」 「す、ごく……かっこ良くなってたから……っ」 「……へぇ」 「せ、先輩……?」 「杏から見て、俺ってかっこいいの?」 「……っ」 ようやくこちらを見てくれた先輩は、随分と上機嫌な顔をしていた。 不敵な笑みを浮かべながら、じりじりとわたしの方へ詰め寄ってくる先輩。