……先輩が、ゆうくんだったなんてっ……!



「お母さん、今僕、杏ちゃんとお付き合いさせていただいてます」


「まあ!そうだったの!うふふっ、杏に悠牙くんみたいなかっこいい彼氏が出来て嬉しいわぁ!」


「今日はお赤飯炊かなきゃね!」と、音符マークを飛ばしながら嬉しそうにしているお母さんの姿。


わたしは未だに状況が飲み込めず、ぽかんと口をあけたまま先輩を見つめた。



* * *



幼い頃、近くに住んでいた男の子がいた。

記憶は曖昧だけど、毎日のようにふたりで遊んだのを覚えている。


でも、引っ越していってしまったんだ……