お母さんは、きょとんとした顔をする。



「なにいってるの杏。小さい頃、ずっと一緒に遊んでたじゃない」



……。

……う、嘘……。



「も、もしかして、先輩……」



忘れていた記憶が、少しずつよみがえっていく。


ーーそうだ。


入学式で感じた、あの……懐かしい感じ。


先輩、まさか……



「ゆう、くん……?」



口から零れた、懐かしい名前。


先輩は、にこっと微笑んで、口を開いた。



「やっと思い出した?」


「ど、どうしてっ……」



まさか……そんな……