だったらもう……今、あきらめた方がいい。
好きなんて伝えたら、きっと後戻りできない気がした。
「……俺から逃げられるとでも思ってる？もう手遅れだよ」
わたしの手を掴んだまま、頬を撫でてくる先輩。
「だって……もうこんなの耐えられませんっ……先輩の言葉、もう信じられない……」
「何が耐えられないの？」
「……っ、先輩、さっきから質問ばっかり……、自分は何も言ってくれないのにっ……」
「なんで？言ってるじゃん、杏のこと好きだって」
「先輩の好き、は……軽いです……さっきだって……可愛いって……私には可愛くないって」
言ったじゃない……っ。
