【完】愛は溺死レベル





ど、どうして私の名前、知ってるの?



言葉通り、少し速足になった会長さん。

どれだけ抵抗しても、離してくれる素振りは無く、結局私は生徒会室という表記の掛かった教室に連れて来られてしまった。

高級そうなソファの上に座らされ、やっと降ろされる。



「こ、こんなところに連れて来て、な、なんでしょうかっ…」



状況がわからないという事と会長さんとの距離が近いという事が私の脳にパニックを引き起こし、変な敬語が口から紡がれる。





会長さんは面白そうに笑って、私の隣に腰を下ろした。

ど、如何して隣に座るんですかっ……。




「二人っきりになってすることって、一つしか無いだろう?」

「な、か、会長さんっ……!」




一つしか、の具体的な意味は分からずとも、いけないことだというのは理解出来る。


グイッと顔を近づけてくる会長さんから反射的に仰け反って逃げると、再び距離を詰められた。