【完】愛は溺死レベル




それなのに、先輩はそれさえも許さないとでも言うかのように、わたしの顎を掴んでくる。

そのまま上を向かされ、わたしのぐちゃぐちゃの顔があらわになった。
先輩は、わたしを見つめながら、口角をつり上げる。



「あーあ、ボロボロ」


片方の手でわたしの涙をそっと拭った先輩は、そのまま顔を近づけてきた。



「さいっこーに、可愛い」



ーーーちゅっ



「……っ!」



な、に……。



生徒会室に響いたリップ音。

それは、わたしと先輩の唇が重なった音だった。