【完】愛は溺死レベル



「お前、どっか行って」


先輩がそう言った先にいたのは、わたしではなく、彼女さんの方だった。

彼女さんも、困惑した表情を浮かべている。



「え!ど、どうして……そんな……」

「いいから行けって、ちょっと邪魔」



先輩の腕に手を回した女の人を、振り払うようにそう言い放った先輩。

彼女さんは悔しそうに下唇を噛み締めながら、生徒会室を出て行った。


……どうして、こうなったの……?

生徒会室に、先輩とふたりきり。



「……で?」



わたしの手を握ったまま、先輩は口を開く。