【完】愛は溺死レベル



そう口に出して、中に入った。



「……先輩?」



……あれ?

まだ……来てないのかな……?


そう思って、奥を覗く。

その時、目に飛び込んできた光景に、わたしは言葉を失った。



「……っ」



……な、に……っ。


先輩が、知らない女の人と、キスをしていた。



「……あら?」



驚きのあまり動けないわたしに、相手の女性が気づいたらしい。



「ちょっと悠牙〜、この子誰〜?」



わたしを指差し、そう言った。

先輩は、こちらを振り返り、わたしの方を見る。


パチリと目があった時、泣きたくなった。