【完】愛は溺死レベル




……え?待って。


私今……キス、されてる?



ーーキス!?!?!?




「「「「いやぁーー!!!」」」」




きっとこの場に居る中で、最も叫びたい心情でいるのは私のはずなのに、女の子たちの悲鳴が挙がった。


私は急いで会長さんの胸を押して離れると、唇をゴシゴシと擦る。




「っ……な、何、するんです、かっ……!」




ひ、酷いっ……。


見ず知らずの私に、突然こんなことするなんて……何て軽い人なんだろう。


生理的な涙がジワっと溢れ出して、視界が滲む。




「あれ?嫌だった?」

「嫌に……決まってますっ……」

「あーあ、泣いちゃって……おいで」




妖しい笑みをその顔に浮かべ、私の手を引いた会長さん。


突然のことで抵抗する暇も無く、あっさりと捕まってしまった私は、そのまま抱っこされてしまった。