【完】愛は溺死レベル



翔くんは優しいし、なんでも出来るし、本当に王子様みたいな人で、翔くんの彼女になれる人は、きっと幸せものだと思う。


それなのに、どうしてわたしは……翔くんの気持ちを、受け入れられないんだろう……。



わからなくて、唇をぎゅっと噛む。


そんなわたしを見て、翔くんは苦しそうに顔を顰めた。



「やっぱり……あの会長がいい?」



……せん、ぱい?



「え、っと……」

「……」

「…………っ、うん……ごめん、なさい」



…………そうだ。

きっとわたしが翔くんの気持ちを受け入れられないのは、先輩のせい。

全部全部……先輩の、せい。