翔くんは優しいし、なんでも出来るし、本当に王子様みたいな人で、翔くんの彼女になれる人は、きっと幸せものだと思う。
それなのに、どうしてわたしは……翔くんの気持ちを、受け入れられないんだろう……。
わからなくて、唇をぎゅっと噛む。
そんなわたしを見て、翔くんは苦しそうに顔を顰めた。
「やっぱり……あの会長がいい?」
……せん、ぱい?
「え、っと……」
「……」
「…………っ、うん……ごめん、なさい」
…………そうだ。
きっとわたしが翔くんの気持ちを受け入れられないのは、先輩のせい。
全部全部……先輩の、せい。

