その時、廊下の方から何やら女の子たちの黄色い声が挙がった。
「「「「キャァアーー!!!!」」」」
な、なにっ……?
一瞬驚いたけれど、廊下の方を向いて視界に入ったものに、納得する。
……先輩……。
廊下を歩く先輩が、女の子たちに囲まれていて、満更でも無さそうに微笑んでいた。
……っ。
一回も、こっち見なかった……。
何度も教室に迎えに来てくれた先輩。
このクラスに、私がいることなんて知ってるはずなのに。
先輩は気にするそぶりもなく、通り過ぎて行った。
ーーどうしよう。
なんで私、こんなに泣きそうになってるんだろう。

