【完】愛は溺死レベル



「ありがとう……でも、わたしは大丈夫だよ!先輩だって、からかい半分……だと思うし、うん、本気にしてるわけじゃないから」



そこまで言った時、先輩の、真っ直ぐな眼差しを思い出した。



『杏が好きだよ』



……疑ってる、わけじゃない。

先輩が、好きって言ってくれてるのは……本当だって、思ってるけど……

ああ、もう良くわかんない……っ。


自分の気持ちが、わからない……。



「いや、杏の可愛さなら、会長が惚れるのもわかるのよ。ていうか必然?杏の可愛さの前に太刀打ちできる者はいないみたいな?ただ……」



ちらり、と、タズちゃんが翔君を見た。



「ま、あたしは翔っちを応援するわよ」



……え?