【完】愛は溺死レベル


心配になって顔をじっと見つめれば、翔君の顔がほんのり桃色に染まり始めた。


翔君ってば、目が悪い次は風邪まで……!




「顔赤いよ?しんどいの?」

「いや、違うから。大丈夫。だからそんな見つめないで」




「無自覚って本当怖い」と又しても謎の発言をした翔君が心配になり、熱が有るか確認しようと額に手を伸ばした時だった。



ーーーグイっと、背後から何者かに手を引っ張られたのは。




え?


反応するのが遅く、後ろに倒れそうになる私。


こ、転けちゃうっ……!


痛みを覚悟して、目をキツく瞑った。



けれど、予想していた痛みは来ず、寧ろ柔らかい何かに包まれる。


転け、て、ない?


驚いて顔を上がれば、頭上に知った顔があった。


そう、入学式に一度だけ見た……会長さんの顔が。



驚いて声が出ない私に、爽やかな笑顔が向けられる。