【完】愛は溺死レベル



ていうより、その質問、この前もされた気が……。



「先輩は……や、優しいところもあるけど、いじわるだし……好きとかじゃ、ない……」



……はず、だ。

うん、きっと……ち、違う……!



「あたしたちはさ、心配なのよ」



え……?

突然真面目な顔で話し始めたタズちゃんに、視線を向ける。



「会長って、女癖悪いって噂多いし、まあ噂だからほんとのとこは知らないけど、杏が泣くようなことは絶対に嫌なの」

「僕も……心配だよ、杏ちゃんのこと」



……っ。



「タズちゃん、翔君……」



二人が、そんな風に心配してくれていたなんて……からかってるなんて思って、ごめんなさい。