【完】愛は溺死レベル


「目、腫れてるよ……!?大丈夫!?何かあったの!?」

「……翔っちの声も、多分廊下まで聞こえてるわよ」



心配させてしまったのか、オロオロしながら顔を覗き込んでくる翔君に、笑顔を見せた。



「ぜ、全然大丈夫なの!昨日映画観て、感動しちゃって泣いただけで……」



本日、三回目の台詞。



「ほ、ほんとに?」

「うん!ほんとだよ!」

「そっか……」

「何納得してんのよ翔っち。嘘に決まってるじゃない」

「う、嘘じゃないってば!」



もう、タズちゃんってば……!



「……で、会長と何があったのよ?」

「会長?……また、何かされたの……!?」



タズちゃんが余計なことを言うから、翔君が眉間にシワを寄せて、心配そうにわたしを見てくる。