―――それから少し遡る。




厚木真奈は大学の門の前で仁王立ちをしていた。


しかし、その勇ましい姿とは対照的な笑顔を浮かべてもいた。





真奈は念願だった第一志望に見事合格し、晴れて大学一年になったのだ。




……気がつくと怪しい視線を感じる。




―――…ん?





通り越す人々が皆、真奈の姿を見ているのだ。




―――…なんだってそんな私のことばかり?





はっ!といかにもわざとらしく思い浮かんだらしい。