「ユキトです。よろしく」
それは、あの登校初日に声をかけられた人だった。
「あなたは…!」
「あれ?君は確か……」
そんな様子を見て、沙織もケントもニヤニヤしていた。
そして沙織は真奈に耳打ちした。
「あれが、ブルーアイズのイケメンさん?」
真奈は顔を真っ赤に染め上げて、首を何度も縦に振った。
その姿に微笑みながら、ふーん、と言った。
「そういえば、君の名前聞いてなかったね。なんていうの?」
「あ、厚木真奈です!」
ついつい声を張り上げてしまう。
これも、真奈の癖である。
ユキトは微笑んで
「うん、真奈さん、ね?」
――――…か、かかかかか…
「かっこいい…」
…いい加減、学習すべきだと感じる。
しかしユキトはあの時と同じだった。
「うん、ありがと」

