―――お店に入って数分ののち、ケントに電話が入った。
「………うん、…………わかった。じゃぁな」
電話主はもちろん、今日の合コン相手である。
「もう、店の入り口に着いたって。俺、連れてくるな」
「うん、いってらっしゃい」
沙織がケントを見送ると、真奈は沙織にしがみついた。
「沙織ーっ!」
「今さらもう遅いっ!全力を尽くしなさい」
「うわーん!」
「子供かっ!」
そんなやりとりをしているうちに、ケントは来てしまった。
「じゃーん、紹介しまーす!どうぞっ!」
ケントの指の先に見えた人は…――――
「え」
真奈は声が漏れた。

