入学式。



この高校はおっきな桜の木が自慢らしい。
それから、体育館の横の花壇には毎年大きなひまわり。

それに、校庭にはコスモスの花壇。
校舎の玄関には椿。





校内には四季を表す植物に溢れて、とても美しいと評判らしい。




「明日花(あすか)!」




私は振り向く。

私の名前は明日花。
有坂 明日花(ありざか あすか)。





「アキ!おはよ。」




親友の唐沢 明菜(からさわ あきな)。
声が少し高めで可愛らしいかんじ。





「うわー、明日花はやっぱり似合うね!

アタシなんて子供みたいだよ?」



アキはニッコリして言う。
嫌味??なんて思うけど、口に出したら怒られちゃう。
だから、笑ってごまかした。


“明日花のがカワイイから!”



みんな言う。
私はそんなの思ってないのに。




ちょっとだけ、嫌。…かな?




そりゃ、可愛いて言われるのは嬉しいよ。
でも、“あんな事”言われるのは嫌。






「明日花、クラス見に行こ?」






可愛いアキ。
私の大切な人。
掛け替えのない唯一無二の友。






「うん!」






大好きだよ。
絶対に傷つけない。




そう…絶対に…。