あたしからタックルするみたいに、カボの胸に飛び込んだ。
…触られるのが嫌だなんて、一言も言ってない。
手をつなぐのも、こうやってぎゅってするのも、キスをするのも。
全部全部、嫌じゃないよ。
…カボじゃなきゃ、嫌なんだってば。
それくらいわかれ、バカ。
カボの胸元に額を押し付ける。
ドッドッド、と刻まれる速いペース。あたしのとおんなじくらい速い、カボの鼓動。
重なる。鼓動も、気持ちも、好きだっていう想いも。
ため息のような弱い息が頭に降ってきて、顔を上げる。
そこには困ったように笑う、カボがいた。
「…本当は、僕の方がいっぱいいっぱいなんです」
その日の晩は、カボが右の布団、あたしが真ん中の布団で眠った。
右の布団と真ん中の布団。
…その間で、手を繋いで眠った。
.
…触られるのが嫌だなんて、一言も言ってない。
手をつなぐのも、こうやってぎゅってするのも、キスをするのも。
全部全部、嫌じゃないよ。
…カボじゃなきゃ、嫌なんだってば。
それくらいわかれ、バカ。
カボの胸元に額を押し付ける。
ドッドッド、と刻まれる速いペース。あたしのとおんなじくらい速い、カボの鼓動。
重なる。鼓動も、気持ちも、好きだっていう想いも。
ため息のような弱い息が頭に降ってきて、顔を上げる。
そこには困ったように笑う、カボがいた。
「…本当は、僕の方がいっぱいいっぱいなんです」
その日の晩は、カボが右の布団、あたしが真ん中の布団で眠った。
右の布団と真ん中の布団。
…その間で、手を繋いで眠った。
.



