山田さん的非日常生活

あたしとカボはそりゃあ付き合っているけれども、彼氏と彼女なわけだけれども…ああ、無理、ダメだ。あんまりにもあたしのレンアイ経験が乏しすぎるのに加えて、カボのあのぽやーんってした雰囲気。


…想像、できない。


想像したら、頭がスパークリングしそう。ぱーんって弾けてポップコーンでも出てきそうだ。

そう、それは上六割キャラメル味、下四割塩味の……って、そうじゃなくて。(二章をご参照ください)

足立が無理やりあたしにその布切れを押し付けれてくるから、仕方なく受け取るだけ受け取る。

チラッとついている値札を見て、目ん玉が飛び出そうになった。


「…てか5000円っ!?無理無理無理っ!!なんでこんな高いの!?」

「勝負下着だろ?それくらい出そうよ」

「…出ないよ」
「出せよ」


…こんなの、脅迫だ。

普段なら婦人下着コーナーのワゴンで1000円で三枚は買える。ってことは5000円で15枚?15枚ってアンタ、もし洗濯し忘れたとかなっても全く困らないよ?二週間はローテーションしても同じものが回ってこない…


「ホラ山田!じゃあこういうのはどう?」

「ひぃぃぃぃい〜っ!!!」


足立が次から次へと持ってくる得体の知れない物体に、あたしは散々絶叫させられるハメになった。

こんなに叫んだのは、幼稚園の遠足の時に入ったお化け屋敷以来だと思う。


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