山田さん的非日常生活


い…一体なんだ…?


呆然と立ち尽くすあたし。

未だ立ち上がれず、床にしゃがんだままのカボ。


それを合図とするかのように、係の人たちが一斉に立ち上がった。

あたしたちに向けられる拍手の波。

まるで駅伝を完走し終えた選手を受け入れるかのような、あたたかい眼差しが注がれる。


「…お母さま…これは一体…?」

「ごめんね、山田さんっ!!」


ギュッとあたしの手を握るお母さま。

可愛らしいくりくりした瞳に、くしゃくしゃになったあたしの顔が映ってる。


「あのね、留学のことなんだけど……」

「オイちょっと待って!!これせっかく用意したんだから!!」

「もう早く!!あなたったらどんくさいんだからっ!!」


お父さまが背負っていたリュックを下ろし、慌てて中身を取り出す。

そして何度も突っかかりながらやっと引き出した四角いプレートを、高々と掲げた。




─"ドッキリ大成功"─




「………あの、係員さん」

「はい、何でしょうか?」

「あの看板に書いてある文字、読んでもらってもいいですか?」

「わかりました。…"ドッキリ大成功"」

「……もう一回」

「"ドッキリ大成功"」


視覚と聴覚、両方から統合された結果によると、つまり。


「……留学の、話は…?」

「騙してごめんね、山田さん!!」


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