山田さん的非日常生活

吹っ飛んだおにぎりを哀愁を覚えながら見つめていると、子どもの一人に服を引っ張られた。


「一緒にサッカーしようおばちゃん!」

「あのね、僕たち小学三年生になったんだよ!!」


さ、サッカーですか…。

無邪気な笑顔に、ひきつり笑いを返す。


「いや〜…まだお昼ごはんも食べてないし、ねぇ?カボ……って」


…いねぇし。


同意を求めて隣を見たのに、シートには誰も座っていなかった。


「山田さーん!!早く早くっ!!」


そして原っぱのど真ん中にはすでにサッカーボールを蹴っているカボの姿が。


「…なんでそんな元気なのよ」


…やっぱりカボの精神年齢は小学三年生で決定だ。

スーツを着こなしたかと思えばサッカーボールが異様に似合ったり、全く忙しい男だ。


しぶしぶ重い腰を上げてカボたちの元へと走る。


マフラーを揺らす北風。

寒さに赤くなった鼻先。

冬の原っぱの芝は白っぽくて、空の青を余計に際だたせる。


「山田さーん!!」

「あ〜ハイハイっ!!」


予想以上に重たい足に、ああ、やっぱりおばちゃんで合ってるかもしれないな、と思った。














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