山田さん的非日常生活

おそるおそる、おにぎりの一つに手を伸ばす。

口にすると、ほんのりとした塩味が舌にじんわりと広がった。


…チョコレートとか出てきたらどうしよう。


えいっ!と思い切って食べてみると、のぞいたのはこんがりとした茶色の物体。

…どうやら、唐揚げらしい。

これこそ本当の当たりだ。一番おいしいとこだ…と口を大きく開けたその時。


「ぶふぅっ!!」


突如頭をものすごい衝撃が襲った。

せっかくの当たり、唐揚げおにぎりが数メートルほどすっ飛ぶ。


これ…なんか前にもあったような気が…


「あれー?お兄ちゃんとおばちゃんだー!!」


痛みにうずくまる背後から聞こえてきた無邪気な声。

…お兄ちゃんとおばちゃんって。カボの方が二つ年上なんですけど。

その差別は一体なんなんだ。


頭をさすりさすり振り向くと、ニカッと笑った子どもたちの顔があった。

前に来たときに遊んだ子どもたち。…こんな偶然もあるもんだ。

しかも覚えててくれたのか、子どもたちの顔には好意の色が浮かんでいた。


「あっ、そうだ!!」


そして何かを思い出したようにシャキッと整列した子供たち。


「いくよ、せーのっ!!」


「「おにぎりさん、ごめんなさい」」



"おにぎりに、ちゃんと謝ってください!!"



「………」


…そんなことまで覚えてるんですか。


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