山田さん的非日常生活

まさにピクニックってかんじだ。

でも前もって言っておいてくれれば、あたしがおにぎり作ってきたのに。

カボに女の子らしいとこ見せれることなんてそんなにないから。

…まぁ、昨日はガトーショコラでそれどころじゃなかったけど。


「おにぎり、具は何入れたの?」

「一個一個違うんです!!母と父も張り切って一緒に作ってくれて」

「へぇ…!!」


東山家の総力を注いだおにぎりをあたしなんかがいただいちゃっていいのだろうか。

カボはニッコリ笑うと、バスケットの留め具を外しながらこう言った。


「でも普通のじゃ面白くないので、ひとつハズレを作ってみました!」

「ハズレ?」


ハズレって…ああ、一個だけ具無し、とかそういうやつだろうか。

そういうゲームっぽくしちゃうところ、ユニークな東山家っぽいな…。


そして開いたバスケットの中身を見て、あたしはその場に固まった。


並んだ可愛らしいさんかくのおにぎりたち。

均等な大きさで、綺麗に収まっている。

…そのおにぎりたちの中で一つ、明らかにおかしいやつがあるんですけど。


「………」

「じゃあ山田さん!好きなの選んでください!!」


一番右端のおにぎりから、どう考えてもポッキーとしか思えないものが飛び出ている。

…いや、ハズレ丸わかりですよね?


気まずげにカボの顔を見上げれば、カボはにっこり笑って言った。


「ちなみにハズレは何も入ってません!」


…ポッキーは当たりですか。


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