山田さん的非日常生活

景色が流れて、見慣れすぎた場所からあたしを連れ出す。

…こんな真冬にピクニックってあんた。

そう言おうとして口をつぐんだ。

隣にあるカボの横顔が、ものすんごく幸せそうで、ものすんごく嬉しそうだったから。

思わずあたしまで口元がゆるむ。


「今日は、山田さんと今まで行ったところを回りたいなって思って」

「…うん」


自分の足元を見つめ、フッと笑ってしまった。

足立にはせっかくのデートだからヒールブーツにしろって散々言われたけど。

結局スニーカーを履いてきて良かった。ブーツで走るのはクリスマスで懲りたから。

…懐かしい場所巡りかぁ。

ピクニックの原っぱ。


カボがあたしを、好きだって言ってくれた場所。


「楽しそうだね!カボ!!」


自分でも珍しく、満面の笑みがこぼれてしまう。

返ってきたカボの笑顔は、100グラムのバターなんか一瞬でトロットロにしてしまうような眩しい笑顔だった。













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