ひぃっ。
隣のレジからチッと小さく舌打ちをされる。
「…ああ、山田さんなら──」
梢さんが何してんの?って顔でしゃがんでるあたしを見る。
「(お願い黙ってて!!)」
唇の前に指を立て、必死に無言で頼み込んだ。
そのジェスチャーを理解したらしく、梢さんは不思議そうに眉をひそめながらもあたしから目線をそらしてくれた。
「…山田さんは今日シフト入ってないみたいですよ?」
そう言ってニッコリ笑う。
店内の数人の男性客が、ほう、と感嘆のため息をつくのが聞こえた。
「そうなんですか…」
「シフト変更はよくあることですからね。でも梢、今日入ってて良かった!!浩一郎さんに会えたんですもの!!」
「こ…梢さん、痛いです…」
カボの手をぎゅうっと握り込んで、キラキラした瞳を向ける梢さん。
カボは弱々しく微笑んで、かぼちゃプリンをひとつレジ台の上にのせた。
今日のカボは私服に、ラフな髪型だ。
ほわん、としたカボ独特のオーラ。昨日の光景が嘘みたいに思える。
彼氏から隠れてレジ下でしゃがみ込んで。あたし、一体何やってるんだろ…。
「おつりの70円になります浩一郎さんっ!!」
「ありがとうございます。…でもあの、ちょっと痛いです…」
またもやキラキラした目でカボの手を握る梢さん。
手の中でおつりの五十円玉と十円玉が窒息死してそうだ。
お会計が終わったのを見て、ホッとため息をついたその時。
「梢さん」
「はい!?」
「あの…隣のレジの黒いのは、何ですか?」
.
隣のレジからチッと小さく舌打ちをされる。
「…ああ、山田さんなら──」
梢さんが何してんの?って顔でしゃがんでるあたしを見る。
「(お願い黙ってて!!)」
唇の前に指を立て、必死に無言で頼み込んだ。
そのジェスチャーを理解したらしく、梢さんは不思議そうに眉をひそめながらもあたしから目線をそらしてくれた。
「…山田さんは今日シフト入ってないみたいですよ?」
そう言ってニッコリ笑う。
店内の数人の男性客が、ほう、と感嘆のため息をつくのが聞こえた。
「そうなんですか…」
「シフト変更はよくあることですからね。でも梢、今日入ってて良かった!!浩一郎さんに会えたんですもの!!」
「こ…梢さん、痛いです…」
カボの手をぎゅうっと握り込んで、キラキラした瞳を向ける梢さん。
カボは弱々しく微笑んで、かぼちゃプリンをひとつレジ台の上にのせた。
今日のカボは私服に、ラフな髪型だ。
ほわん、としたカボ独特のオーラ。昨日の光景が嘘みたいに思える。
彼氏から隠れてレジ下でしゃがみ込んで。あたし、一体何やってるんだろ…。
「おつりの70円になります浩一郎さんっ!!」
「ありがとうございます。…でもあの、ちょっと痛いです…」
またもやキラキラした目でカボの手を握る梢さん。
手の中でおつりの五十円玉と十円玉が窒息死してそうだ。
お会計が終わったのを見て、ホッとため息をついたその時。
「梢さん」
「はい!?」
「あの…隣のレジの黒いのは、何ですか?」
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