山田さん的非日常生活


あたしはデートの時のカボしか知らないけど。

会ってない時はこうしてちゃんと、頑張ってるんだな。


小さくなっていくカボの後ろ姿を見送る。


金色の髪がふわふわしてて、光に透けて。


…なんだか無性に、カボに触れたくなった。



お母さまと一緒にエレベーターに乗り込む。

押しボタンの表示は、22階まであった。

エレベーターも全面ガラス張り。遠くなっていく地上の景色。





マイナス思考はもうやめる、それと。


もう一つ、決めたこと。



…1ヶ月に1回は、好きってちゃんと言う。



ちっちゃい目標かもしれないけど、しょーもないかもしんないけど、こう決めてないとなかなか言えない気がするから。


言葉って、一つないだけで不安になったり、逆に不安にさせたりするから。


素直じゃなくてちっとも可愛くないあたしだけど、ちゃんと。



カボに気持ちを、伝えられるように。
















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