山田さん的非日常生活

みんなに見守られながら、帰りの支度をするあたし。

『ぶきっちょさんでも楽チン☆おいしいお菓子づくり』の本をカバンに突っ込む。




「いってらっしゃい山田!」

「コレ、ありがたくいただきま〜す!!」

「山田をよろしくね、お母さま!!」


クラスメートの声かけに、にっこりと笑って答えるお母さま。

クラスメート全員の手に握られているのは、お母さま手作りのマカロン。


…いつの間に差し入れされてるんですか。

…っていうか、なんであっという間にそんな仲良くなってるんですか。


「お母さまに迷惑かけるなよ、山田!!」

「また来てね、お母さま!!」


…一体、なんでこんなことに。


あたしの平凡な1日ってどんなんだっただろう…。

みんなのなまあたたか〜い視線にさらされながら、あたしは教室を後にしたのだった。





















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