山田さん的非日常生活

「…アンタがどう勘違いしてるのか手に取るようにわかるけど」

「……?」

「昨日は…クリスマスは、東山家のパーティーだったの!!」

「へ」


…東山家の、パーティー?


「毎年恒例なのよ!使用人とかお手伝いさんとかも全部呼んで、家族でクリスマスを祝う!!」

「家族…で…」

「そうよ!!浩一郎さんのお父さまの言葉を借りれば"アメリカでは、クリスマスとは恋人とでなく家族と過ごすものらしい。我が家は先進国アメリカを見習おう"…とか言って一昨年から集まってんのよ!!」


プレゼント交換は300円以上1000円未満よ!!そこまで言って梢さんは息を切らした。

家族で?みんなでプレゼント交換?

…て、ことは。


「梢さんとカボが二人で遊ぶ約束してたわけじゃ、ない…?」


梢さんは怒ったような、それでいてちょっとバツの悪そうななんとも言えない顔をした。


「…確かにちょっと意地悪したことは認めるわよ。でもアンタがあんな完璧に勘違いしてくれちゃうなんて…」

「………」


そう、だったんだ。

そうだったんだ。カボの気持ちが傾いちゃったわけじゃなかったんだ。

急にほわほわと、体の奥にあったかいものがこみ上げる。


カボに飽きられちゃったわけじゃ、なかったんだ。

でもなんで───


「梢さんはなんであたしに話してくれたの?

「………」

「なんで…あたしに勘違いさせたままにしなかったの?」
「─そんなの」


梢さんは一度大きく息を吐くと、自嘲的な笑みを浮かべた。


「だってあんな浩一郎さん、とても見てられないんだもの」


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