山田さん的非日常生活

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結局その晩、あたしは足立んちのクリスマスパーティーに参加させてもらった。

食って飲んで踊ってのどんちゃん騒ぎ。

連絡もせずに朝帰りをしてしまった。朝帰りなんて初めてだ。

みんなと別れて自宅に戻り、恐る恐るチャイムを鳴らす。

どんな雷が落ちてくるかと縮こまっているあたし。

ドアから眠そうに目をこすりながら登場したお母さんは、


「あれ?アンタどっかいってたの」


…と予想外なセリフを口にした。

てっきりこってり怒られると思ったのに拍子抜けだ。どっかいってたの?って。…自分の娘にもっと関心を持ってくださいお母さん。

着の身着のままベットに飛び込むと、襲ってきた眠気に身を任せた。

フラッフラで昼すぎまで寝こけて、それから迎えに来てくれた足立と、カラオケに行って歌いまくった。

足立は用を蹴ってまであたしと一緒にクリスマスを過ごしてくれた。女の友情って、こんなにも分厚かったのか。

足立…。

いつも蹴りがあんまりにも痛いから実は嫌われてるんじゃないかと思ったけど、あれは照れ屋さん足立なりの愛情の裏返しだったのね…。(って言ったら蹴られた)


一人になる時間がなかったからだろうか。


足立や他のクラスメートのおかげで、涙に暮れることも寂しい思いをすることも免れることができた。



…あっという間に迎えた26日。

浮き足立っていた風景に日常が戻ってきて、所々ではもう日本風の正月飾りが見られる。

あたしはと言うと早速バイトが入ってて。向かったバイト先のニコニコマートでも、クリスマスのキラキラ感は影も形もなく消えていた。

ケーキのポスターのあった場所はおせちのポスターに陣取られ、フサフサした飾りもすっかり取り払われている。

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