山田さん的非日常生活

「…へ」


思わずまぬけな声が出てしまった。

振り返ると、真っ先に飛び込んできたのはひときわ目立つ金色。


カボの、髪の色。


「──────」

「………山田?」


足立が顔色をうかがうようにあたしを見上げる。


何も言葉が出なかった。

だって、ガラスの向こうを並んで歩いていたのは、本当にカボと梢さんだったから。

笑い合いながら、人ごみの中に消えていく二人。

美男美女、どこからどう見てもお似合いな二人は、まるで雑誌にでも取り上げられそうなカップルに見えた。


「あの…山田?大丈夫?」


…でもなんで、カボと梢さんが?

だって今日は土日じゃない、平日だ。梢さんが東山家にお手伝いに出る日じゃないし、わざわざ会おうと約束しない限り、二人が顔を合わせることはないはずだ。


じゃあ、なんで?


浮かんだ不穏な気持ちは、雨雲みたいに黒く厚く広がっていく。



"絶対認めないからね!!"



梢さんの声が頭の中にこだまして、あたしはしばらく呆然とするしかなかった。
















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