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「ありがとうございました〜!!」
発売したばかりの週刊誌を大事そうに抱えてコンビニを後にするおじさん。
ある程度長いことバイトしていれば、もう常連客はだいたい把握できる。
発売日にだけ必ずいらっしゃるおじさん。
きっとあの人の人生の楽しみは、一週間に一回のマンガ雑誌の発売日なのだろうと思う。
…なのに。
「来ない、か…」
今日も、時計の針が10時を回ってしまった。
あの日から、もう四日目。
夜10時、欠かさずにプリンを買い求めに来るはずの常連客は一向に姿を現さなかった。
…どうしたのだろうか。
気にしまいとも見てしまうのはプリンが置いてあるデザートの棚。
別に。別に奴なんて来なくていいし、あのうっとおしい笑顔を見なくてすんで、せいせいするはずなんだから。
…でも、カボが来なくちゃプリンの売れ行きが悪くなっちゃうじゃない。
いつも無くなっていたものがまだ居座っているのがなんだか気持ち悪くて、バイト終わりに自分で買ってしまった。
─かぼちゃプリン。
もし太ったら、アンタのせいなんだから。
『カボチャは好きですか、山田さん』
ねぇ、本当は。
「…おいしい……」
口に運んだスプーンから、じんわりと舌に広がる甘味。
…本当は、嫌いなんかじゃないんだ。カボチャ。
ねぇ、どうして来ないのよ。
早くそのアホ面を見せに来い、バカ。
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「ありがとうございました〜!!」
発売したばかりの週刊誌を大事そうに抱えてコンビニを後にするおじさん。
ある程度長いことバイトしていれば、もう常連客はだいたい把握できる。
発売日にだけ必ずいらっしゃるおじさん。
きっとあの人の人生の楽しみは、一週間に一回のマンガ雑誌の発売日なのだろうと思う。
…なのに。
「来ない、か…」
今日も、時計の針が10時を回ってしまった。
あの日から、もう四日目。
夜10時、欠かさずにプリンを買い求めに来るはずの常連客は一向に姿を現さなかった。
…どうしたのだろうか。
気にしまいとも見てしまうのはプリンが置いてあるデザートの棚。
別に。別に奴なんて来なくていいし、あのうっとおしい笑顔を見なくてすんで、せいせいするはずなんだから。
…でも、カボが来なくちゃプリンの売れ行きが悪くなっちゃうじゃない。
いつも無くなっていたものがまだ居座っているのがなんだか気持ち悪くて、バイト終わりに自分で買ってしまった。
─かぼちゃプリン。
もし太ったら、アンタのせいなんだから。
『カボチャは好きですか、山田さん』
ねぇ、本当は。
「…おいしい……」
口に運んだスプーンから、じんわりと舌に広がる甘味。
…本当は、嫌いなんかじゃないんだ。カボチャ。
ねぇ、どうして来ないのよ。
早くそのアホ面を見せに来い、バカ。
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